青い光には殺虫効果がある!薬剤を使わず害虫駆除する方法

2014年、青色光が昆虫たちを死に至らしめるという衝撃の論文が、イギリスのオンライン科学雑誌「Scientific Reports」に掲載されました。
目に見えない光(放射能など)によって細胞が死んでしまうということは今までも言われてきましたが、目に見える光(可視光線)が昆虫を殺すという報告は、世界初です!
薬剤を使わずに光で殺虫できたら、無農薬野菜が手軽に食べられそうではないですか?
ちょっと古い雑誌なのですが「Newton 色と光の科学」に掲載されていた内容を読んだとき、めちゃくちゃ感動したので、その一部をご紹介します。
タイトルの通り、青い光には殺虫効果がある!ということを発見した論文です。
目に見える光・可視光線
可視光線(かしこうせん)とは、携帯の電波や放射能などと同じ電磁波の一種で、人間の目に見える光のこと。
可視光は、波長の長さによって色が変わります。

可視光の中で波長が一番短いのが紫で、それより短くなると紫外線となり、色として見ることはできません。
また可視光の中で波長が最も長いのが赤で、それより長くなると赤外線となり、やはり色として見ることができません。
波長の常識を覆す発見
一般的に、電磁波は波長が短いほうがエネルギーが高くなります。
ですので、殺菌などをする場合に可視光よりも波長の短い紫外線などが有効であるとされています。
しかし実験では、この常識が覆されました。
「一部の紫外線よりも、波長が長い青色光のほうが殺虫効果が高い」という結果がでたんです!
種によって、光の効果は異なる
農作物、木材、人体などに有害な昆虫というのは、多数存在します。
害虫を駆除する方法は主に農薬を使うことが多いですが、青色光で殺虫できるということを東北大学の堀雅敏准教授らが発見されました。
研究グループは、チカイエカという蚊の一種でも、さなぎに光を照射するという実験を行った。するとショウジョウバエとは異なる波長417ナノメートルの青色光を当てたときに、致死率が一番高くなった。
また、チカイエカに100%近い殺虫効果をもたらすには、太陽光に含まれる青色光の1.5倍の強度の光が必要だった
「Newton 色と光の科学」
青色光に昆虫への殺虫効果があることが発表されたのは、これが初めてです。
その仕組みはまだよく分かっていないそうですが、それが明らかになると新しい害虫駆除の方法が見つかりそうですね。
めちゃくちゃ期待しています!
参考文献「Newton 色と光の科学」
今回の内容は、「Newton 色と光の科学」を参照させていただきました。
フェルメールやゴッホの名画や、有田焼の鮮やかな赤の秘密など、色オタクにはたまらない内容が盛りだくさんです。
光が曲がったり、時間が遅れたり・・・重力・時間・空間の概念に革命を起こした、アインシュタインの一般相対性理論に関しても、科学雑誌にしては分かりやすく書かれています。
ちょっと古いのですが、興味のある人は中古やKindleで入手してみてくださいね。