カラーセラピーとは/人類と色彩の歴史

カラーセラピーとは、どのように始まり、私たちの生活の中で活かされてきたのでしょうか?
このブログを読むと、古代から続く人類と色彩の関わりを知ることができます。
このブログを読めば、あなたも色彩歴史マスターです!
カラーセラピーとは
カラーセラピーは、日本語に訳すと「色彩療法」です。
古代文明時代から利用されている、長い歴史のあるセラピーの手法です。
医療の現場で色を使う時期もありましたが、今では「色の持つ特性を利用して心身のバランスを整えること」を目的としています。
カラーセラピーの起源・歴史
人類が誕生して以来ずっと、病気やケガと向き合い続けてきました。
医療の発達していない時代は、不治の病として隔離されたり、出血を止められず命を落とすことも多くありました。
ただし、軽度の病気やケガであれば、自然の中にあるものを利用して治療していたのです。
植物や鉱物など、色のついたものを用いて治癒・治療をしてきました。
これがカラーセラピーの始まりです。
旧石器時代
ラスコーの壁画など、赤土や動物の血を使って描かれており、これが自然から取り出した最初の色彩だと考えられています。
旧石器時代は死者を埋葬する際に、ボディペインティングを施していた痕跡が残されています。
お化粧やファッションというよりは、呪術的な意味で色彩を取り入れていました。

古代エジプト時代
多くの原始宗教にみられる特徴は、太陽を崇拝していることです。
太陽の光はすべての生命の源であり、日光浴などをして太陽の光のパワーを取り入れると生命力が高まり、病気を予防すると信じられていました。
古代エジプト時代に行われていたヘリオセラピー(太陽療法)というものがあります。
神殿の中に「赤い部屋」「青い部屋」など、いくつかの部屋を作り、各部屋に太陽の光が降り注ぐと、色ガラスにより色の光が差し込むように作られていました。
色の光を身体に浴びることによって心身のバランスを整え、健康を手に入れようとしていたのです。
古代ギリシャ時代
この時代には、より科学的な治療法を用いる人が現れました。
代表する3人をご紹介しましょう。
ピタゴラス
数学者として有名なピタゴラスですが、同時に医者であり哲学者でもありました。
色が見える仕組みについて研究していて、「物が見えるのは物体自体から発せられる粒子のため」と説明しています。
ヒポクラテス
「医学の祖」と言われるヒポクラテスですが、彼もまた医者であり哲学者でした。
ヒポクラテスは、「体内の不調は体外に色として表れる」と考え、病人の肌の色、目の色、舌の色などの変化を観察して診断するという「色彩診断(Color Diagnosis)」を行いました。
アリストテレス
医者の息子として生まれ、プラトンの弟子として学んだアリストテレス。
彼は「四元素論」を著したことで有名です。
「四元素論」とは、世界の物質は、火・空気(風)・水・土の4つの元素から構成される、とする概念です。
古代ローマ時代
古代ギリシャ時代の考えを引き継ぎ、医療と色彩の関係はますます注目されるようになりました。
セルサスは自然界に咲く花を原料にして、プラスター(膏薬)を作り身体に塗る治療を行いました。
ガレンは人間を体液の気質により4つのタイプに分類しました。
彼の提唱した「四体液質」は死後も世界中の医学界に影響を与え続けています。
17世紀~20世紀
科学や医学が大きく発展する中、反対に神秘的な思想は避けられるようになります。
色を使って治療を行うという考えは、異端とされだしました。
しかしながらカラーセラピーの歴史を紐解くうえで重要な2人が、この時代に登場します。
アイザック・ニュートン
万有引力を発見したことで有名な、数学者・物理学者のニュートン。
彼は三角柱の形をしたプリズムを用いて、太陽光の中に虹の色(スペクトル)が含まれていることを発見しました。
1704年にこれらの実験をまとめた「光学」を出版し、光と色の新理論を発表しました。

ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
ニュートンの科学的な色彩理論に真っ向から反対したのが、ゲーテです。
詩人・文学者として有名なゲーテですが、彼は20年以上もの長期にわたり色と人間の生理的作用を研究し、1810年に「色彩論」を出版しました。

19世紀~20世紀
科学者であり医者でもある、エドウィン・バビット。彼は赤青黄などの色の光を使って治療する装置を開発しました。
バビットの「色光療法」は、現代のカラーセラピーの原点といえるでしょう。
また、哲学者であり神秘主義者でもある、ルドルフ・シュタイナーは、教育や芸術について独自の思想を打ち立てました。
将棋の藤井壮太棋士が受けていたという「シュタイナー教育」。これは彼が考えた教育方法です。
低学年の教室はピンク、中学年はオレンジ、高学年はグリーンなど教室の色を変え、人間の成長を促がす色の効果を唱えています。
現代
1970年代になるとニューエイジ思想が盛んになり、世界各国で様々な代替療法やヒーリングが誕生しました。
色光が出るライトペンを使ったり、色シールをツボに貼る方法など、様々な手法が使われています。
現在よく目にするカラーボトルを使う手法は、1983年にイギリスのヴィッキー・ウォールが創設したオーラソーマが最初です。
2000年頃からは色を使ってカウンセリングをすること、心と身体に色を効果的に使うことを目的とした様々なカラーセラピーが開発されるようになり、現在に至ります。
現在、日本で学べるカラーセラピーの種類はこちらです。
日本で学べるカラーセラピーの種類を比較・特徴解説
カラーセラピーって種類がたくさんあって、どれを選べばいいのか悩みますよね? どのカラーセラピーも民間資格で、講座を受けることで資格を得ることができます。 最近は…
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。これで色彩の歴史は完璧です!
それぞれについてもっと深く学びたくなったら、気になったカラーセラピスト講座を受講してみてくださいね。